高齢者の『昼夜逆転』を減らす5つの行動

働き方のKOU率化

どーも、KOUです。

私の記事は医療従事者の方々がみられていることが多いと思います。

医療従事者の方々は日ごろ患者様に対して、、、

『この方は昼夜逆転が多いよね(-_-;)』

『お昼に寝るから夜に寝れないんですよ』

と言った記憶はないでしょうか?

私もたくさん言ったことがあります(笑)

覚醒の向上がないとリハビリもなかなかうまくいかないものです。

今回は、、、

『なんでこんなにご高齢の患者様は昼間に眠たいのかな?』
『どうやったら、昼間の覚醒を促せるかな?』

といった疑問にお答えしていけたらと思います。

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高齢者の睡眠について

 

出典:榎本みのり.高齢者の睡眠.e-ヘルスネット.厚生労働省.

高齢の方々は若いころに比べてよく『早寝早起きになった』と言われることが多いですが、体内時計の加齢変化の影響があります。

KOU
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睡眠を行う生体機能のリズムが前倒しになることで、早く眠気がきてしまいます。
そして、早く寝た分早く起きてしまうというわけです。

また、レム睡眠とノンレム睡眠でも高齢者は浅くなることで夜間に中途覚醒する頻度が向上します。

結果、睡眠の“質”“量”ともに悪くなってしまいます。

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高齢者の寝室事情

出典:榎本みのり.高齢者の睡眠.e-ヘルスネット.厚生労働省.

高齢者の方々の多くは、寝床にいる時間が多くなっています。

特に病院に入院されているとほぼ病室にて臥床している時間が多くなってしまいます(-_-;)

KOU
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施設では、ディルームなどで車椅子上で過ごされる時間もあるため、病院の方がリハビリテーションの提供はるかもしれませんが、ベッドへの臥床時間として計算した場合は多い傾向にあります。

ベッドで過ごすことで、日中入眠してしまい、夜間の眠りの妨げになっている可能性もあります。

このベッドへの臥床時間の減少を目指して病院勤務に当たっていく必要があります。

傾眠傾向とは?

1.意識清明(正常)

意識がはっきりしている『正常』の状態です。

2.傾眠

目を閉じてうとうと浅く眠っている状態です。軽い刺激により、目を覚ましたり反応を見せますが、刺激がなくなるとまたうとうとしてしまいます。

3.昏迷

目を閉じて深く眠っている状態です。痛み刺激など強い刺激を与えないと目を開くことができません。

4.昏睡

痛み刺激などの強い刺激を受けても目を開くことなく、反応が全く見られない状態です。脊髄反射や排せつ行為はみられます。

どの病院や施設においても必ず“傾眠傾向”“昼夜逆転傾向”の高齢の患者様・利用者様はいらっしゃいます。

KOU
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この傾眠傾向が続いてしまうと食事などの摂取量が軽減し、リハビリテーションを一所懸命行っても“筋力が付かない”“意欲が低下する”“やりたいリハビリテーションの提供ができない”といった悪循環に陥りがちです。

そして、なかなかリハビリテーションの効果が得られにくくなっています。

どのような症状で傾眠傾向となるのか?

1、認知症

認知症の行動・心理症状と言われる2次的症状があります。

その中に、『不眠』が含まれています。

この『不眠』の影響により夜間の睡眠不足⇒日中の覚醒低下へと繋がり、傾眠状態となりやすいです。

2、過眠症

過眠症の方は夜にしっかりと睡眠を取っているにも関わらず、日中強烈な眠気に襲われてしまい、眠ってしまいます。

『ナルコレプシー』など突然深い眠りに陥る病気もあります。

3、慢性硬膜下血腫

脳疾患の1つで、アルコールの多飲者や高齢者に多くみられる疾患です。長時間放置すると『脳ヘルニア』を起こしてしまい意識障害に陥ることがあります。

この疾患は認知障害がしょうじるため、認知症と誤診される場合もあります。

4、内科的疾患

代謝に関わる臓器に異常が出たりすると、傾眠傾向になる可能性があります。

5、脱水

食事が満足に取れない状態となると脱水症状や栄養不足に繋がってしまいます。

水分不足は意識レベル低下に繋がり、傾眠傾向に陥ってしまう可能性があります。

6、薬の副作用

様々な薬の副作用として傾眠傾向が生じる可能性がある薬物があります。

薬物の量などは医師に相談して、患者様や利用者様の状態観察を続けていきましょう。

KOU
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特に認知症の患者様が病院や施設では多いと思います。

同年代の健常高齢者と比較して睡眠障害の問題はもっと大きいものとなります。
さらに、傾眠傾向となることで食事の意欲が低下し脱水やリハビリテーションを実施する体力の低下や栄養が取れないことにより、運動しても筋力が付かないという悪循環に繋がります。

このように、傾眠傾向のある患者様や利用者様に対して覚醒向上を図るリハビリテーションを実施することが必要”となります。

覚醒を上げるための行動

1、環境づくり

わざと外に連れていくなど温度や湿度を変化させて覚醒を向上させていきます。

午前中に日光を浴びることで体内時計がリセットされます。

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体内時計がリセットされることで、1日が始まったと体が理解します。

ベッド上にて過ごすことが多い患者様や利用者様にとっては、日光を浴びることで『朝や昼だよ』と身体が認識してくれるため、覚醒しやすくなります。
つまり眠りに必要な環境とは真逆のことをすれば覚醒が向上させられるのではないかと考えています。

2、リハビリテーション時間を固定する

午前中と午後の2~3回のリハビリテーション時間を大体固定します。

午前中で日光浴を行いながら覚醒を向上させ、午後のリハビリテーションへ繋ぐことでアクティブなトレーニングを午後に行うことができます。

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適度な疲労感は夜間の睡眠リズムを整える働きがあるため、夜間の睡眠がしっかりと取ることができると、日中の覚醒が促せる可能性があります。

※強い運動を行いすぎると覚醒を促しすぎて良好な睡眠の妨げになることもあるので夕方の介入には注意が必要です。

3、食事などを座位にて摂取する

結構病院に入院されている方にありがちなのは、オーバーテーブルなどを使用せずにベッドで食べられていることが多いと思います(-_-;)

ベッドギャッジアップにて食べられることで姿勢も悪くなり、抗重力位での活動を行うことが徐々に困難となります。

できる限り、車椅子や椅子での食事がとれる環境を提供してください‼

食事以外でも『ベッドは寝る場所』と認識させることが重要です。

できる限り、病棟と相談し離床を促し座位保持時間の向上を図っていきましょう♪

4、抗重力位での活動を行っていく

座位保持でも車椅子上ではなくプラットホームなどの環境で背面解放座位平行棒などを使用し立ち上がり・立位保持訓練を中心に介入していきましょう。

できる限り、筋肉を活用することで覚醒の向上を促すことができます。

5、薬を減らしていこう

これは、リハビリテーションや看護師などの職業では困難なので、医師にしっかりと相談をしましょう。

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傾眠傾向の副作用がある薬の量を調整することで日中の覚醒が向上する可能性があります。

ぜひ、いま受け持っている患者様や利用者様が『どの薬を飲まれているのか?』確認をしていきましょう‼

そして、量を調整できる薬に関しては医師と相談し、チームアプローチにて傾眠傾向の改善を促していきましょう♪

まとめ

  • 高齢者は生体機能のリズムが前倒しになり、早寝早起きとなる。
  • 高齢者はレム睡眠とノンレム睡眠が浅くなり、中途覚醒が増える。
  • 高齢者は睡眠時間は短くなっているのに寝ている時間は多くなっている。
  • 意識障害の程度は『意識清明(正常)』『傾眠』『昏迷』『昏睡』に分けられる。
  • 『認知症』『過眠症』『慢性硬膜下血腫』『内科的疾患』『脱水』『薬の副作用』は傾眠傾向になりやすい。
  • リハビリテーションは『環境づくり』『リハビリテーション時間を固定する』『食事などを座位にて摂取する』『抗重力位での活動を行っていく』『薬を減らす』にて覚醒を上げていこう。

私たち医療従事者にとって、傾眠傾向や意識障害のある患者様・利用者様への対応というのは必須となります。

『なぜ、傾眠傾向となっているのか?』

しっかりと1人1人の患者様に向き合いながら、できる限り日中は覚醒を促し、夜間しっかりと休めるように努力していくことが大切となります。

そのためにも、病院や施設に勤めている全ての方々のチームアプローチが欠かせなくなります。

例えば、、、

移乗動作がセラピスト介助しかできない患者様の場合に、リハビリ終了後に1時間程度ディルームなどで看護師や介護福祉士の方々に見守りを依頼します。次のリハビリテーション終了後に移乗動作をセラピストが実施するような流れを作るとセラピストの移動時間などは掛かってしまいますが、離床時間の拡大に繋がります。
KOU
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書類業務中は効率よく行うことが大切ですが、リハビリや患者様・利用者様のためなら効率性を少し度外視する目線も大切です。

つまり、選択しながら仕事を行うことで、、、

『この業務は効率よくできる』

『この業務は効率重視ではダメだ』

と振り分けながら実施することができるようになります。

ぜひ、患者様や利用者様のためにも覚醒向上を促してみて下さい‼

お互いに自己研鑽を怠らずにいたいですね。それでは、また会いましょう♪
医療従事者が効率的に生きていけますように‼
バイバイ(@^^)/~~~

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管理人
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現在、理学療法士として病院勤務しながら在宅でブログを運営しています。100歳まで健康でお金にも苦労しない効率的な人生を送ることが目標です。よろしくお願いいたします。

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